11月のその他(リチャード・リンクレイター『6才のボクが、大人になるまで』他)感想

【2014年11月に観たその他の映画の感想メモ】

今月の狂ってるで賞=『下女』、何回でも観たいで賞=『6才のボクが、大人になるまで』、刺さってるで賞=『刺さった男』。
★=1、☆=0.5

nakuotoko

『泣く男』/イ・ジョンボム/韓国/2014 ★★★ (2014.11.2 新宿バルト9)

韓国らしい母への愛憎とアクションの激しさは楽しめたけど、悪人になり切らない主人公がかっこよすぎてちょっとダメ。と、江頭2:50が言っていたけど、大賛成。

 

gejo

『下女』/キム・ギヨン/韓国/1960 ★★★★ (2014.11.8 シネマヴェーラ渋谷)

なんだか凄いものを観た。子供たちのあやとりをノーカットで延々映すオープニングからして何か恐ろしかった。そして最初に登場する二人の女子が後半全然生きてこず、むしろ途中からポンと現れた女が主人公だったので、普通だったら考えられないようなバランスに驚いたし、その主人公の女はしたたかにあざとく演技して男を騙しているのかと思っていたらどうやら本気で男を愛している様子だったし、なんだか全然よくわからなかった。けどラストが凄い。まさかのマナー啓発映画?狂ってるとはこのことよ・・・!

 

boyhood

『6才のボクが、大人になるまで』/リチャード・リンクレイター/アメリカ/2014 ★★★★★ (2014.11.14 新宿武蔵野館)

12年間も同じキャストで撮り続けることを実現させたことも凄いけど、そこで描かれた内容が感動的だった。「一年後」とかのテロップが全く出なくて、急に「あれっなんか大きくなってる!」という感じで、本当にグラデーションのように成長していくところにも「はじまりも終わりもない」という映画のスタンスが出ていて良かった。主人公は小5ぐらい(?)の時かなりポッチャリしてしまったので心配したけど、その後無事痩せてイケメンに育っていったのでほっとした。あとアウトローだったイーサン・ホークが去勢されていって、「今の俺は昔の母さんが望んでいた姿だ。全てはタイミングだ」みたいなことを言っていたのが印象的。

 

devils-knot

『デビルズ・ノット』/アトム・エゴヤン/アメリカ/2013 ★★★★ (2014.11.16 新宿シネマカリテ)

実際に起きた事件を映画にしたもので、「ウェスト・メンフィス3」のことはすごく有名らしいけど全然知らなかった。異様な事件で驚いた。大衆が「犯人はこいつだ!」と決めてかかってほとんどギャグみたいにヒステリックに罵声を浴びせたりするのって日本だけの傾向じゃないんだなぁ、と思った。でも歴史を振り返ると、そりゃ日本だけってことはないよなぁと思う。映画では一応こいつが真犯人か?というのをほのめかして終わるけど、実際には未解決だそうで、すごく真犯人が知りたい・・・。でも、小さいなムラと冤罪ものという意味では『偽りなき者』には勝てないかな。この映画とは言いたいことが少し違ってるとは思うけど。

 

crocodile

『クロコダイル』/フランシス・セイビャー・パション/フィリピン/2014 ★★☆ (2014.11.28 TOHOシネマズ日劇(東京フィルメックス))

今年のフィルメックスは2本しか観られなかったけど、そのうちの1本であるこの映画がグランプリを獲ったので観られて良かった!観たことのないような水郷が舞台で、ボートを使って移動する映像の美しさは凄かった。あんな風景観てみたい。途中実際の人物へのインタビューが挿入されたりして、それなりに実験的だけどあざとさはなく、そのへんは良かった。静かな語り口も良い。けど、グランプリ獲った作品に対してこんなこと言うと怒られそうだけど、題材のわりにとにかく面白くない。メリハリがなく、ダラダラ続いていく感じ。ダラダラ続く映画はむしろ好きだけど、これは手法としてのダラダラではなく、ダラダラしてしまった、という感じがする。特に学校で他の生徒がゾンビみたいに集団でオイオイ泣いてる場面とか、ちょっと肌に合わなかった。別の日に観たら全然違う感想を持ったかもしれないけど・・・。

 

president

『プレジデント』/モフセン・マフマルバフ/グルジア/2014 ★★★★ (2014.11.29 TOHOシネマズ日劇(東京フィルメックス))

マフマルバフ!久々の長編劇映画!良かった。やっぱり演出力が段違いでベテランの貫録。お金も結構かかってるとは思うけど。印象的なショットがいくつもあって、詩的でありながらしっかりエンターテイメントだった。メッセージはシンプルに平和を願う、ってことだと思うけど、それはラストの男のセリフに集約されていた。独裁国家でクーデターが起きる、という題材は、現実の世界でここ最近いくつかあって、頭に思い浮かぶけど、私は『イラク チグリスに浮かぶ平和』を観た後だったので断然イラクのことを考えながら観た。所々登場するグルジアの民謡(なのかな?)みたいな音楽が良かった。難点があるとすれば、独裁者である主人公が魅力的すぎることと、その孫が彼にしゃべらせすぎる(説明させすぎる)ことかな?劇場公開が決まっているそうで、良かった!

 

Short Term 12 Brie Larson and Keith Stanfield

『ショート・ターム』/デスティン・ダニエル・クレットン/アメリカ/2013 ★★★☆ (2014.11.30 ヒューマントラストシネマ渋谷)

良かった。けど、普通の“良い映画”だった。「うおおおこれは!!」というような興奮は特に無かった。小奇麗にまとまった良品、という印象。さらっとしたハートウォーミングな映画だった。登場人物を演じる俳優陣がみんな美しすぎないのもこの映画にしっくりきていて良かった。しかしこれは恋人の優しさが全てを救ったような気がする。欠点が見つからない恋人だけど、でも人間味はちゃんとあってうまかった。あとマーカスかっこいい。

 

la-chispa-de-la-vida-pelicula

『刺さった男』/アレックス・デ・ラ・イグレシア/スペイン/2011 ★★★☆ (2014.11.30 ヒューマントラストシネマ渋谷)

アイデアで勝利した怪作。頭に鉄の棒が刺さって動けなくなった失業中の男がチャンスとばかりに事故、じゃなくて自己プロデュースをはじめ、身体を張って金を儲けようと目論む姿が滑稽ながら痛々しい。けど観てる間は痛々しさよりも滑稽さを感じるほうが勝って、かなり笑った。メディアや広告会社の描かれ方も、やれ自伝を出すだのゲーム化するだの、その醜悪さがコミカルながら的確に突かれていて痛快だった。すぐ“グッズ化”“映画化”“自伝の出版”って、アホかと思うけど日本だけじゃないんだなあ。面白かった!

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