『LIFE!』:旅に出たくなる度ナンバーワン!

The Secret Life of Walter Mitty

2014.3.29 新宿ピカデリー ★★★☆

『LIFE!』/ベン・スティラー/2013/アメリカ

なかなか楽しめた。これ観る前に『チスル』を観てしまい、花の土曜日、小春日和なのにやたら重たい気分になっていたところに口直しのようにしてこれを観たらスカッとできたので良かった。映画館から出たら既に夜だったけど。真夏や真冬は良いけど、春や秋の気持ちよく晴れた休みの日に映画館のハシゴなんかすると、なんか間違ってるような気がしてきます。

とはいえこれはなかなか爽快で、映画館で観て良かったと思える映画でした。主人公のウォルター・ミティは地味で平凡な人生を歩んでいますが、かなり強いヒーロー願望を内に秘めており、日常生活でもちょっとしたきっかけでその妄想世界にトリップしてフリーズしてしまう癖のある男です。そんなミティがあるきっかけから平凡な人生を脱却する話ですが、これは『虹を掴む男』という1947年のアメリカ映画のリメイクだそうです。ただリメイクとはいえ全然別物になっているようです。『虹を掴む男』は、主演のダニー・ケイの芸達者ぶりをフィーチャーしたいわゆるスター物のようですが(新宿TSUTAYAにあったけどなんとなく観る気が起きず借りなかった・・・ので未見)、こちらはむしろ妄想世界のハチャメチャな映像とか、妄想じゃない秘境の景観とか、スターよりはそちらを楽しむ映画に思えました。でも映画館で周りの人たちはちょっとしたギャグにかなり笑っていたので、もしかしたらベン・スティラーの映画ということで観に来た人が多かったのかもしれません(個人的にはコメディとしてはあまり面白いとは思えませんでしたが)。

ベン・スティラー扮するミティはライフ誌の写真管理部門に勤務していますが、デジタル化のあおりをくらって休刊が決まります。その最終号を飾る写真のネガが、世界的に有名な写真家(たぶんそういう設定)ショーン・オコンネルからミティ宛に送られてきますが、よりによってショーンが「ぜひ25番を最終号の表紙に」と指定してきたその25番ネガが見当たりません。これはショーンに直接会って確かめるしかない、ということで、他の写真からなんとか居場所を推測して、常に旅して歩いているショーンを追いかけることになります。

話は非常に分かりやすくて、常に冒険している写真家ショーンと、毎日オフィスで写真管理をする平凡な男(っていってもライフに勤めてる時点で平凡と言えるかどうか不明)ミティが対比されていて、ショーンを追いかけることはそのままミティも冒険することになり、ミティの人生も急に面白いものになってくる・・・という図式です。実際の人生もアドベンチャーになってくるとミティはあまり妄想しなくなるため、妄想シーンの登場はほぼ前半のみです。この妄想シーンは、個人的にあまり面白いと思いませんでした。だって妄想してる間はストーリーが進まないし(私せっかちなのか)、妄想とわかっていてもなお楽しめるほどのものでもありません。しかし後半は実際にCHA-LA-HEAD-CHA-LA状態になって火山も爆発して、溶けた氷の中に恐竜はさすがにいませんでしたが氷のように冷たい海の中でサメに襲われたりはして、すごいことになっていきます。アドベンチャーなんだけど、ギリギリ現実味のあるアドベンチャーなので、自分もこんな旅ができるかも・・・!みたいな妄想が膨らんでいきます。特にアフガニスタンの山は良かったですねー。行ってみたいです。

そういえば、劇中のライフの社の社訓が「To See The World(世界を見よう)、Things Dangerous To Come To(危険でも立ち向かおう)、To See Behind Walls(壁の裏側をのぞこう)、To Draw Closer(もっと近づこう)、To Find Each Other(お互いを知ろう)、And To Feel(そして感じよう)、That Is The Purpose Of Life(それが人生の目的だから)」というもので、これには甚く感動しました。ちょうど今『もうひとりの息子』を観て以来パレスチナ問題に興味が湧いて、関連書を読んだりしていてマイブーム(古)っぽくなっていることもあるとは思いますが(だって実際パレスチナに行くかと聞かれたら絶対行けない・・・)、やっぱり色んな国を見てみることって大事だよなぁと思いました。実際とは違う、偏った報道をされていることって多分にあると思うし。あと、それとはちょっと違うレベルの話だと、この映画を観て、何かの旅行本に「金曜日に仕事が終わってから空港へ向かい、土日を海外で過ごして、日曜の夜に飛行機に乗り、朝に日本に着いてそのまま仕事へ行くようなハードな旅程だとしても、それでも土日を海外で過ごしたという濃い体験は何物にも代え難く、身体的にはハードなのに、なぜか心はふっと軽くなっているものである」というようなことが書いてあったのを思い出しました。そうだよなぁ、確かに、たった2泊でも「行ってきた!」という体験は強烈で、土日に休んだとか休んでないとかじゃなくて、とにかく「行ってきた!」ことの充実っぷりって物凄いですよね。やっぱり時間がないとかお金がないとか言わず、色んなところに行かないとなぁ。という気分になりました。まぁでも、この映画は「平凡な人生が一変する」というのを、旅に出て冒険する、という非常に分かりやすいことで描いているので、楽しかったのですが、まぁちょっと単純かな、という気はします。

あ、あとデヴィッド・ボウイの音楽が劇中で印象的に使われていますが、それよりも個人的にはホセ・ゴンザレスにびっくりしました。2006年頃に熱心に聴いていて、その後なんとなくあまり聴かなくなっていたのですが、劇中流れる音楽の歌声に聴き覚えがあり、エンドクレジットで確かめたらやっぱりホセ・ゴンザレスでした。昔はアコースティックだったのがすっかり音が華やかになってましたが、映画にぴったり合っていて爽快でした。

【ここからネタバレ】————————————————–

しかし一言だけミティに言いたいです。

財布捨てるなよ・・・!

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