オール・イズ・ロスト

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2014.3.15 シネマカリテ

『オール・イズ・ロスト』/J.C.チャンダー/アメリカ/2013 ★★★☆

『タイタニック』以来私の大好物となったジャンル「海のど真ん中で船が沈没」ものです。このジャンル、怖すぎて好きです。この映画は、加齢によりその「男前」という呪縛から逃れた20世紀を代表する二枚目俳優ロバート・レッドフォードが(そういえば主人公の名前が出てこなかった!凄い!)自分の船でインド洋を渡っていたら、ちょっとしたことから船が故障し遭難。次々と襲いかかる災難に打ち勝つべく頑張るが、彼は果たして生き延びられるのか!?という、本当にそれしかないようなあらすじです。なんと、登場人物が本当にロバート・レッドフォード一人です。『ゼロ・グラヴィティ』ですら複数の人が出ていたのに・・・!なので当然セリフも全然ありません。ひたすら大自然の脅威と、老人の頑張りを写している映画です。

全体的な印象としては、「海のど真ん中で船が沈没」ものにしては地味です。こういう内容で、スターが出ているわりには映画館も単館系だし、派手さがありません。『ゼロ・グラビティ』や『ライフ・オブ・パイ』のように、映像で魅せるということもありません。でも私はそれが良かったと思います。派手さがないといっても、ちゃんと嵐に見舞われたり、海に投げ出されたりと災難は襲いかかってはいたのですが、それを煽るような音楽もないし、愛する家族のことを思い出して涙・・・とかもなくて、淡々と進行していた感じです。なので本当に遭難したらこんなふうに時間が過ぎていくんだろうな・・・(ヒー怖)という感じでした。ちなみに、サメに襲われて血みどろに・・・というのも心のどこかで期待しましたがそれはありませんでした。

『ゼロ・グラビティ』を観たときに、宇宙空間での遭難に勝る遭難は無いな、と思ったものですが、やっぱり海のど真ん中で遭難も同じくらい恐ろしいですね。映画を比べると、『ゼロ・グラビティ』のほうが断然スペクタクルだし、人物の背景も語られてました。一応ヒロインの成長物語でもあったし。一方『オール・イズ・ロスト』は、人物について本当に全然語られていなくて、結婚指輪はしていたので妻がいるらしいことはわかりましたが、本当にそのぐらいでした。船が沈む場面も、その船はどういう経緯で手に入れたものなのかとか、どんな思い出が詰まっているのかとか、全然わからなかったのですが、それでもやっぱりあの場面は悲しかったです。普通ならそこで回想を挟むとかなんとかして全米が泣く場面にするかもしれませんが、この映画はあっさりです。海ものでこんなにあっさりしているのも珍しい気がします。

『ライフ・オブ・パイ』と比べてみても、あの圧倒的映像美はこの映画では全然観られず、またトラと漂流しているわけでもないのでほんと地味です。しかしそもそも『ライフ・オブ・パイ』は海上サバイバル映画ではないと思うので、シチュエーションこそ似ていますが根本的に全然違います。『オール・イズ・ロスト』のほうがシンプルで、ドキュメンタリーのように老人を追うだけです。(画面は別にドキュメンタリータッチではないのですが、一瞬ちょっとそれっぽい場面もあった気がします。)でもだからこそ、ラストは「おお・・・!」と、かなり感動しました。あと時折流れる控えめな音楽もとても美しかったです。

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