アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー

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2014.1.29 ヒューマントラストシネマ渋谷(『未体験ゾーンの映画たち2014』)

『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』/監督:ケビン・オニール 製作:ロジャー・コーマン/アメリカ/2012 ★★★★

面白かった!巨乳美女が巨大になってハチャメチャ!みたいな映画だと思っていたら、(概ね当たっていたのですがそれだけじゃなくて)無駄に巨大蜘蛛が登場してパニック!みたいな怪獣映画の楽しさも詰め込まれてました。でも巨大蜘蛛が登場する必然性はほとんど無く、登場の仕方も無理矢理で、しかもCGが安っぽすぎて、最高でした。

オープニングの音楽からしてすごく頭の悪そうな四つ打ちで、映像も安~~い、ギャル系中学生が買ってる服店のマークとかでありそうなボインちゃんのシルエットが次々と出てくるだけ、みたいなもので、とりあえず低予算であることはいきなり確認できました。そして本編は、冴えない大学院生キャシーちゃんがあろうことかチアリーダーに入りたくて入団テストを受ける場面から始まります。ここでキャシーちゃん含め何人かの入団希望の女子が頑張ってチアリーディング的な動きをしてみせるのですが、着地に失敗したギャルが「キャー!」と言ってこけて、顔を上げた瞬間いきなり血みどろになっていて、「これはかなり期待できる」と、早くも観客を沸かせたのでした。ヒロインであるキャシーちゃんは最初メガネとニキビで冴えないのですが、自分で開発した「美しくなる薬」を投与することによって絶世の美女へと変身し、なぜか服装のセンスまで良くなってシャナリシャナリ歩き、男を惑わせ女を嫉妬で狂わせるのですが、薬の副作用によって美しいまま巨大化してしまいます。親友たちは「早く解毒剤を」とあわてますが、キャシーちゃんは「戻りたくないの」と言い放ちます。巨大化していようが、冴えなかった元の姿には戻りたくないそうです。この美への執念にちょっと胸打たれます(打たれない)。(中略)で、結局キャシーと同じく巨大化したライバルの女と無駄にトップレスでプロレスをして勝利をおさめるわけですが、この対戦場面の構図は完全に怪獣映画のそれで、私は怪獣映画に詳しいわけではありませんが、それでも、ゴジラなくしてはこの場面も無かったのではないかと思いました。でもこの場面が無かったところで世界への影響は全く無いと断言できます。

ところでこの映画の元ネタが1958年のアメリカ映画『妖怪巨大女(Attack of the 50 Foot Woman)』であることはタイトルからして間違いなさそうですが(観てないのに言ってます)、この作品の監督はネイザン・ジュランで、特撮の帝王レイ・ハリーハウゼンといくつか映画を撮っている人ですね(これはちゃんと観ました)。『アタック・オブ~』というタイトルはB級モンスターものの定番タイトルになっているようで、このあたりに私は全然詳しくないのですが、日本のハリーハウゼン・円谷英二特撮担当のB級モンスター(?)映画『マタンゴ』(’63)は大好きで、この英語タイトルが『Attack Of The Mushroom People』であることになんとなく特撮のぬくもり(って何だ?)を感じます。そういえば『マタンゴ』でも水野久美がビキニでビッチでしたが、もしかして特撮B級映画に水着の美女って欠かせないのかな?あ、あとこの英語タイトルの日本のネオGSコンピレーションもありますね。あれってやっぱり『マタンゴ』のことなのかな?

製作者であるロジャー・コーマンのことを全然書いてませんでした。私にとっての初コーマンは、泣く子も黙るサイケデリック映画『白昼の幻想』(’67)でした。ハタチぐらいで観たのですが、そのときは「ピーター・フォンダがイケメン」とか「女子たちの服装がKawaii」とか「フリッパーズ・ギターの元ネタ発見せり」とか、ミーハーな気持ちで観ていました。よほど気に入ったのかDVDまで買っていたらしく、家にあったのでちょっと観返してみたら、やっぱりミーハーな気持ちで見る以外の部分は特になかったのですが、しかし「ハイハイ、サイケね」という気分にはならず、むしろ改めて「やっぱり面白いな」と思いました。ところでこの映画には31歳当時のブルース・ダーンが出ていますが、最近映画館で『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(主演がブルース・ダーン)の予告編を見て、『白昼の幻想』での男前っぷりを思い出して妙な感慨にふけったりしました。『ネブラスカ~』はゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にもノミネートされていたようですね。面白そうなので、是非観に行こうと思います。(下の画像は『白昼の幻想』でのブルース・ダーン。)

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脱線しまくりましたが要するに『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』は最高に面白かったです。元は3Dらしいです。飛び出すところといったら巨乳と尻以外なさそうです。

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アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」への6件のフィードバック

  1. どうも!ウッシです、ブログ、始めたんですね!
    そしていきなりコレなんですね笑 僕も気になって観たいと思っていたんです。これは素晴らしそうですね。
    いろいろなカテゴリーの人が特に脈略なく巨大化する映画は50s~60sに流行ったんですが、巨大蜘蛛が出てくるということはコレの影響もあると思います。

    田舎のアホなティーンエイジャーが巨大化するだけの映画です。僕も未見なんですが・・・

    ちなみにAttack of the 50 Foot Womanは1993年にダリル・ハンナ主演でリメイクされておりまして、そちらも良いです。では、また。

    • うおお、ありがとうございます!ブログ始めてみました、『エレニの帰郷』か何かを見て賢そうなことを書くつもりがこうなってしまいました。
      そうなんですか、巨大化ブームがあったとは!さすが博士です!動画貼ってくださった映画もかなり面白そうですね、しかもBeau Brummelsが出てる!アメリカのアマゾンにはDVDありますね。日本版は無いんでしょうかね?『アタック・オブ(中略)チアリーダー』面白かったですよー、元ネタがわかる人なら更に楽しめると思います!

  2. そう、ボーブランメルズ!白昼の幻想しかりこの手の映画にこういうバンドは欠かせないですね。
    これは少し前に海外でDVDになって、一部のバカとヒマ人の間で話題になりました。日本盤は出てないと思うけど、チアリーダーが話題になったらもしかしたら…ないだろうなあ

    ちなみにスコアはジャック・ニッチェが担当しており、主題テーマがタランテーノのデス・プルーフのオープニングに使われました。

    • そうなんですか!結構由緒正しい(?)映画なんですね。確かに、60年代のバカっぽい映画にはライブシーンが必ずあるような気がします。私も例によって小学生時代に学校でゴダールを見たクチなので、『欲望』のポストカードを手帳に挟んだりしていましたが、あれにもヤードバーズが出てましたね。でもあれはバカっぽい映画じゃなくて「芸術映画」なのかな…?あんまり変わらない気がしてしまいますが…笑。

      • バカにしたようなことを書いてましたが、僕は「BLOW-UP」が大好きなんです!観たのは女子に遅れること数年、高校のときでしたが・・・。部屋にポスターも貼ってました笑
        あれは芸術映画だと思うけど、あの時代はそういうアートな人たちと若者の浮ついた文化がすごくクロスオーバーした時代だったんだとおもいます。
        ちなみにBLOW-UPは最初THE WHOかVELVETSが出る予定だったようですが、出たらどうなってたんでしょうか。

        映画のナイトクラブなんかのシーンでバンドが出てきてしかも映画の内容にぜんぜん関係ないのにそのシーンが異様にながい現象は、もうこの時代全世界同時多発な流行で、日本も昔の映画観るとやたらと脈略もなくGSやらのバンドが出てきて楽しいですね。
        バンドや歌手のプロモーションだったんでしょうが、出る映画選ばずというかんじで、後から観るとびっくりするようなくだらぬ映画にえらい人が出ていたりして笑えます。
        怪獣が出てきたり人が死にまくる映画で、急にバンドが出てくると本当に得した気分になります。

      • あっ、すみません私もバカにしたような言い方してしまいましたが、ブロウアップ大好きです!デヴィッド・ヘミングスのかっこよさにホレボレした後『バーバレラ』で笑える役をやっているのを見てさらに惚れました。その後トリュフォーデビューして、『突然炎のごとく』に出ているオスカー・ウェルナーを見てデヴィッド・ヘミングスと見分けがつかなくて混乱したりしたのが若かりし頃の思い出です。
        それにしても、ヤードバーズの代わりにThe Whoはまだなんとなく同じイギリスだし想像できますが、ヴェルヴェッツは結構印象変わりそうですねー。
        あの時代がアートな人達と若者の浮ついた文化がクロスオーバーした時代だった、っていうのはかなり「なるほど!」ですね!なぜかなんとなく60年代に魅かれる理由として「あっ、それだったんだ!」と納得して、すごくすっきりしました。タイムマシンがあったらいつの時代に行きたいかってきかれたら、結局60年代(と20年代)と答えるような気がします。ゴーゴーを踊ってヒッピー生活を体験して満喫したいです。映画の内容に全然関係ないバンドシーン、私もいくつか見かけたことがあります、確かラピュラ阿佐ヶ谷で!ああいうのは胸躍りますねー、60年代の世界にトリップできたような気分になるから不思議です。

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